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Food Labo B-side

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2006年 11月 09日

まるで、こなれた毛布のように。

野菜の調理のポイント = しゃきっと歯ごたえを残して火を通す。
とは、よくいわれていることだが、
くたくたの美味しさも捨てたもんじゃない。

ある本で読んだのだが、
ひと昔前のフランス料理なんかでは、
野菜は甘みが出てくるまでしっかりと火を通すのがあたりまえだったとか。

美人の基準が、国によって時代によって違い、変わって行くのと同じで、
美味しさの基準も1つではないはず。
時代の気分も、さらりと反映しつつ、
でも、自分なりの美味しさの「ものさし」を持つことも大事なのではないだろうか。

なんでも自分なりに考えてみる。味わってみる。
一般的な理論を鵜呑みにするだけでは味わえない美味しさに出会える可能性が、
そこにはある。

そんな、くたくたの美味しさをひとつ。
伏見甘長(ししとうやピ-マンでも)をフライパンでこんがりと素焼きにする。
だし(二番だしで十分)または水と酒を加え、
色褪せなんて気にせずに、くたくたになるまで火を通す。
最後に醤油を少し。
器に盛り、鰹節をこんもりと盛る。

まるで、こなれた毛布のように、ほっとする味わいの野菜料理ができあがる。

まるで、こなれた毛布のように。_c0088555_1923441.jpg

by foodlabo | 2006-11-09 19:25


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